俳優おたくの掃き溜め

舞台や若手俳優のおたくが好き勝手書くところ

▫️プロのお仕事 ~おせちとスタオベ~▫️

推しの現場が先日千秋楽を終えました。お疲れさまでした。




その現場、作品の内容自体については原作が良作なのもあって*1楽しめる内容でした。心を掴まれ突き動かされる感覚も久々に味わえたし。




千秋楽公演はスタンディングオベーションになりました。



が、私は立ちませんでした。目の前に推しがいたけど、ごめん。立てなかった。





この舞台も安定の全通してたんですが、途中チケット売り飛ばすか迷うレベルで許せないところがあったんですよね。それはあまりにもミスが多すぎるというところ。


まず主演がお世辞にもお芝居が上手いとは言えない方でした。でもそんなの元々役者さんではない方でしたし、自分も過去の推しが当時お芝居上手くはなかったから許容範囲なんですよ。経験積んで良くなればいいと思う。ただ、それを持ってしてもなんであんな噛むの?笑。滑舌の悪さは素質だとしても、回避するために言い回しを変えるとか、工夫の余地はあったと思うんです*2。クールな役どころでビジュアルはとても役にマッチしているだけに、なんでこの方をキャスティングしたんだろうなぁ他に適役はいたんじゃないかなぁと首をひねる毎日でした。いやその方自体は嫌いじゃない(可愛いは正義と思ってるオタク)、むしろ好きな部類の方なんですけどね。



そして主演が悪びれもなく(?)ミスりまくるからなのか、他のキャストもかなりぐだぐだという印象が否めなかったです。普通に噛むし普通に台詞飛ばして躓くし、出とちるし衣装間違えて出てくるし。それがナマモノである舞台だからある程度は仕方ないよねっていうのを超越する頻度で毎公演起こっていました。まじで稽古期間何してたの?って言ってしまうくらいには酷かったです。




話がつまらない…とかは好みの問題もあるし、お芝居の上手い下手も好みの問題とか経験値の問題もあるから致し方ないと思います。だけど、ミスが多くてそれを毎回繰り返すっていうのは冒涜だと思うんです。チケット代ってそんな安いものではないし、数時間を観劇に消費するって結構なことだと思うんですよ。時間とお金を対価に感動等を得たくて劇場に行って席に座るんです。相手はプロだと思ってるから金を出して、相手はプロだと思ってるからその分一定のクオリティは求めます。

だけどそんな毎度毎度ミスだらけのものを観せられると、まるで差し出したお金も時間も蔑ろにされてる気分になるんですよね。もう10年近く前の事件を引き合いに出しますが、グルーポンのおせち事件みたいな気分。グルーポンおせち事件の画像まとめ - NAVER まとめ





ただここまで散々書きましたが、その辺のグズグズが後半のある日を境に劇的に改善されたんです。それはもうまず主演の方が噛む頻度が劇的に減ったのは勿論、素人だから抽象的な言い方になってしまって申し訳ないけど、感情の乗せ方がすごく良くなっていました。やり方を変えたお芝居も最初は上手く出来なかったけど、回を重ねる毎に板についてきてて、自然な感じになってて。先述の通りビジュアルはベストオブベストだったので、本当に覚醒した以降はえーー好き!ってなってました(ちょろい)。

そして他のキャストもミスが減って(ほぼ無くなり)、どんどんアドリブ要素を押し込んでくるとか、こちらもまた随所に改善や工夫を見るようになりました。


なのでそのある日を境に劇的に改善されてからは楽しく観ることが出来ました。元々推しのお芝居が好きだったのでチケット代返せとは思ってなかったけど、やっと期待通りのおせちが届いた気分(?)





だけどスタオベは出来ませんでした。



カーテンコールの挨拶の中で「一生懸命稽古して~」と仰っている方がいらっしゃいましたが



だったら最初から後半のクオリティ出せるよね?



って思うんですよね。稽古の段階で台詞をきちんと言えるようにするのは当たり前で、そこから更に色々試したりしてベストなものを稽古段階でチョイスして本番で披露するっていうプロセスですよね普通は。それがプロのお仕事ですよね。


もちろん本番をやっていくうちに生まれたアイディアを活かすとか、経験値の上昇に伴って千秋楽に向かってどんどんクオリティを上げていくっていうのは有りだし大歓迎です。だけど今作に関しては未完成のものを千秋楽に向けて完成させていったもの…と個人的感覚で思います。

だから一生懸命稽古して…という言葉は私には全く響かなかったです。それでも私は全通だから結果オーライになったのを観てるからいいとして、特にグズグズだった公演しか来れなかった人達に対しても同じこと言えるのかなって思いました。*3



千秋楽公演だけだったらまぁスタオベしてもいいかな…って迷うけど、トータルで見た時に私は例え推しが目の前に居ようが周りが全員立っていようが、立てなかったです。なんかほんと嫌いだとか憎いとかは全然なくて、これまでスタオベしてきた作品と同列にしたくなかったんですよね。

スタンディングオベーションとは、自らの感動や賞賛の念を素直に表した行為である

スタンディングオベーション - Wikipedia





この作品が続編やるのかわかんないけど、もしやるとしたらその時は今度こそ最初から「好き」と心から言えるような素敵な作品になっていることを切に願っています。だってどうしようもない言うだけ無駄なゴミ舞台とかじゃなくて、きっと素敵な作品になると信じられるくらいには、良い作品良い役者さんって信じているから。




ましゅまろくれたらたべます

*1:そして私が上半期あんまり好みの舞台にエンカウント出来なかったのもあり

*2:現に最終的になんとかなった訳だし。詳細は後述

*3:実際その回に招待した友達はボロクソに言ってて、忙しい中来てくれたのにごめんねって謝る私がいた