俳優おたくの掃き溜め

舞台や若手俳優のおたくが好き勝手書くところ

▫️二つの乙女ゲーム舞台に見た、2.5乙女ゲーム舞台の在り方▫️

 

縁あって最近乙女ゲーム舞台を2作品観劇致しました。

 

イケメン戦国 THE STAGE~織田軍 VS "海賊" 毛利元就編~ | 公式サイト

(こちらのリンクはこれからの新作ですが、観劇したのは真田幸村編)

 

夢舞台 艶が~る 初宴 | 2017年6月17日~25日 全12公演 新宿村LIVEにて上演!!

(こちらは現在公演中、明日千秋楽かな?)

 

 

結論から申し上げると、両方期待値低かったのに実際観たらとても良作でした。ナメてました。

 

 

 

どちらも歴史上の人物と恋愛をする乙女ゲーム「イケメン戦国」と「艶が~る」を原作とした舞台です。私はいずれもゲームはあまりよくわからない(ちょっとだけプレイしたり調べたりはした)状態での観劇でしたが、舞台作品としてしっかり成立する作品だった為、かなり楽しんで観劇することが出来ました。

 

 

 

 

今は2.5舞台が本当にたくさん世に生まれています。その中には「人気原作を人気俳優使えばお前ら満足だろ?」と思いっきりこちらの足元を見ている作品もあります。足元なんていくらでも見てくれやとは個人的には思っているものの、それでクソ舞台を投げつけてくるのだけは勘弁していただきたいものです。稽古期間10日間とかって舞台もありました。案の定クソ舞台でした。控えめに言って消えてください。

 

 

 

 

で、先述の2作品。どちらも特筆するべきは  

【殺陣】 でした。

 

 

乙女ゲーム舞台といえばヒロインとキャラクターの絡みが見所っていうのが一般的ですが、この2作品はどうしてそこまで本気出した??という程に殺陣のクオリティが高かったです。少なくとも乙女ゲームでやるレベルの殺陣じゃないです、いい意味で。

 

 

 

ちょっと話が逸れますが、かなり前に友人が推しがちょっとした運動会的イベントに出た時に「推しの運動してる姿は至高」というお言葉を述べられました。私も大昔推しがそんな感じのイベントに出た時、決して上手くはなかったけど、運動する推しの姿はとてもとてもかっこよく感じた思い出があります。動ける男性はそれだけでかっこよさ5倍増しだと思うんですけど、皆さんもそうは思いませんか?

 

乙女ゲームはプレイヤーをドキドキさせる、ときめかせるのが魅力だと思うんです(あんまりやらないからよくわかんないけど)。2.5次元化されたその乙女ゲーム舞台を観に行くのも、そういうドキドキを求めて…という感じ?なのでしょうか?いずれも原作おたくではないのでその辺りの需要はよくわからないけど…。

 

上記2作品の他にもいくつか乙女ゲーム舞台は観たことあるのですが、なんか作り手が勘違いしてるんじゃね?って思うことが前々からあったんです。それは「イケメン並べてイチャコラさせたらドキドキするだろお前ら」って思われてないか?ということ。個人的にはその考えには断じてNOを叩きつけたい。

 

私達は!それよりも!推しが!運動したり!歌ったり!踊ったり!殺陣したり!そういう姿に!ときめくんです!一生懸命で!華麗な!姿が!観たいのだよ!

(イケメン並べてイチャコラしてる姿が見たいという方、ごめんなさい)

 

残念ながらそんな勘違いをしたまま舞台化される作品も多々目にしてきました。でも上記2作品は、しっかり客席の需要を理解して、ストーリーとイチャコラシーンを大切にしつつも、殺陣にパラメーターを大きく振ってきたのは大正解だと思います。いやまじで両作品本当に全員かっこよかったです。ちょろいので好き好き湧いてしまいました。しっかりときめきました。

 

 

 

もちろん両作品とも殺陣だけではなく凝ったセットで世界観を支えて、ストーリーも原作をやってなくてもついていけるように組んでいたり、笑いや遊びの要素も含ませて飽きさせない工夫がたくさんあったのも印象的です。単純に舞台作品として観ても面白いものだったと思います。原作おたくではないのでキャラクターの解釈違いとかは特になかったのですが、どちらも原作ファンの方にも好評のようでした。

 

 

 

どちらも「乙女ゲームだから…」と敬遠してしまうには実に惜しい作品だと思います。確かに乙女ゲームって、ぶっ飛んだ設定とかで思わずつっこみたくなるような事もありますが。そこは普通のファンタジー舞台も同じことが言えるかなぁと。殺陣は特にどちらの作品も男性でもときめけるレベルでした。是非男性にも観ていただきたいです。

 

 

世の中にもっとこういう「舞台作品としてしっかり練られた2.5舞台」「客席の需要をちゃんと理解した乙女ゲーム舞台」が増えていったらいいのになぁと。

久々に乙女ゲーム舞台として、舞台作品として、良作と呼べる先の2作品を観劇して思うのでした。

 

そしてただネームバリューと役者で釣ってクソ舞台投げつけてくる制作は消えてなくなれ✩