俳優おたくの掃き溜め

舞台や若手俳優のおたくが好き勝手書くところ

▫️浪費図鑑を読んでわかった、おたくと俳優の温度差▫️

まず私がこの本を買おうと思ったきっかけですが、俳優の寺山武志さんのこのツイートを目にしたことからでした。

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何故若手俳優が読むべきものなのか?愛を感じたとは?と不思議 に思い購入しました。

 

最初にパラパラっと読んだ感想としては「別に…」というのが正直な所でした。若手俳優おたくの項目を読んでも「事実は小説より奇なり」だなぁと思いましたし、他のジャンルのおたくについても「絵にそんなにお金つぎ込むことは理解できない」という感じであまり真面目に読む気になれず。忙しかったのもあって暫くそのままお部屋の本棚にしまったままにしていました。

 

ですがちょっと空き時間が出来たこともあり、またせっかく久々に本を購入するという所まで至ったもの、推し以外に関しては財布の紐ガッチリ勢*1の私は「このままでは勿体ない!何かを得なければ!」とドケチ魂で再度この本を読みながらいろいろ考えてみました。

 

 

まずわかったこと。他のジャンルのおたくが各々の推しにお金をかける事に対しては、やはり私には理解が出来なかったということ。

 

例えば私はグッズ厨ではありません。なので収集癖もなく、舞台グッズのランダムブロマイドとかもほとほと興味がありません。缶バッチとかアクリルなんとかに至ってはこの世で最も要らないグッズだと思ってます。それでもまあひととおり推しのが揃えばラッキーだな、程度なので揃わなくても「手に入らなかったものは最初から存在してなかった」と思いますし、生で観る推し至上主義なので、生じゃない推しにはあまり興味がありません*2

ですがこの前は久々にランダム案件でお金使いました。と言っても全盛期(?)にはボーナス半分以上を100円玉に崩してガチャの機械に吸い込ませてた頃に比べたら*3、大した量はやってないんですけどね。

それでも久々にグッズを整理して、交換ツイート流して、グッズ梱包して、取引して…っていう作業がとにかく苦痛でした。思い返せば先述の頃も取引めんどくさくなって途中で締め切っちゃって、残りは赤字覚悟でKに売りに行ったなぁ…なんて思い出しつつ。でも所謂「グッズ厨」という方は恐らくあれが苦じゃないんでしょうね。そりゃあ推しのグッズが手に入る訳ですし、それだけグッズに愛情を注いでいるのであれば、丁寧に梱包してお渡しもするでしょう。別にそれを馬鹿にするとかではなく、単純に「私には持ち合わせていない愛だな」と思い知りました。

 

でも逆に二次元おたくの友人と話していると、友人は私のチケット業務量に驚きます。交換譲渡探して、梱包して、メモ紙に簡単にお手紙書いて、取引。「よくやるね」と言われますが、私にとっては至って当たり前の事で、(梱包はめんどくさいけど)チケットが届く瞬間の楽しみがあって、届いた人にも喜んで貰えたらいいなぁなんて思いがあって。だから大切に扱うし、苦ではないんです。でも二次元のおたくにとっては…否、舞台厨俳優厨以外には紙切れひとつに情熱を燃やす私たちの姿は奇異に見えるのかも知れません。同じ演目を何回も観る私達のことは理解できないかもしれません。

 

 

長々語りましたがつまり要約すると、自分の好きなことっていうのは違うジャンルの人には理解されにくいし、自分も相手の好きなことに対して理解しにくい…というお話。

 

で、これを俳優とおたくという立ち位置に置き換えます。俳優のほとんどが「おたく」というのをしたことがない人種だと思っています(最近は増えてきたけど)。「芸能人に、舞台に、グッズに、ぼこすかお金をつっこむ」という行為に対して、たぶん私が先述の「絵に対してお金をつぎ込む意味がわからない」という感情と同じものを俳優達も抱いているのではないかなぁって、思いました。この浪費図鑑を読んでいて。奇異に見える他ジャンルのおたく、これはたぶん若手俳優がおたくに思う感情に似てるのかなぁって。

 

 だから「俳優はおたくの気持ちなんてわかってくれない」「お金をかけても引かれる」っていう事になるんだと思います。私も推しのグッズじゃんじゃか買って推しが引いてるのも知ってます。プレゼントじゃんじゃか入れて「無理しないで」って前の推しにも言われてきました。私は何でそんな事言うの!?と逆にキレたこともあったんですが、まあ、理解できないですよねwなんでこんなことにここまでお金使うんだろう??ってなりますよねww私が例えばグッズ厨に「所詮無機物じゃん」って思うのと同じように。

 

 

引いてしまうこと、理解できないことはしょうがないと思ってます。私も自ジャンル以外は正直理解できないと思うので。ただひとつ、若手俳優には是非心得て頂きたいことがこの本を読むとわかるかと思います。

 

 

お金を高く積み上げたものが偉いとか、高いお金使えるほど愛が深い…とは言いません。それはなんかもう賛否両論招きそうなので。

 

ただ間違いなく言えるのは

「愛がなければ、お金は出さない」

ということです。

 

 

好きじゃなかったら、興味がなかったら、楽しくなかったら。私達も慈善活動をしている訳じゃないので、そんなことにはお金は使えません。好きだから、楽しいから、興味があるから、頑張って欲しいから。だから私達は対価としてお金を使うんです。もちろん出せる額は人それぞれだけど、少額でも大金でも、みんなそこに何かしらの愛情*4があるからお金を出せるんです。現場に行こうとしたり、グッズ買ったりするんです。

 

だから舞台や俳優にお金を使うファンのことを、どうか若手俳優達は引かずに、(実際の気持ちはどうであれ)受け入れて貰え(るフリはしてくれ)たらいいなぁって思います。別に浪費はお金が有り余ってるからとか、暇だからとかじゃなくて。浪費することで私達は愛とか気持ちとかを何とかして届けたいと思ってるんです。

 

理解してくれなくていいんで、「ただの浪費癖のある女達」という勘違いはしないでほしいなぁと思います。

 

そしてお金を使うおたくに「無理しないで」と言うのは出来れば止めた方がいいと思います。気を使ってくれての言葉だっていうのはわかるんだけど、「無理しないで=そんなにお金を使わないで」っていうことだし、それはこちらの気持ちの表現…もっときっぱり言えば愛情表現の否定になりかねないので。「無理しないでって、じゃあどうしたらいいの?」と思い悩んだおたくの末路はもしかしたら「否定されてしまったから降りる」かもしれません。

 

 

 

いや、しかしちゃんと理解してくれている寺山さんすごい!って思いました。すみません、推しじゃないです。でも昔寺山さんがご出演されていた舞台作品のアドリブでの言葉が強烈に印象に残っていて、元々このひとすごい達観してる!って思ってたのですが、今回の事でまた達観してるなぁ、そうやって言えて、受け止められる寺山さんかっこいい!って思ったのでした。今の推しが最後の推しって決めてなかったら推してた*5

 

 

*1:つまり推し関連は財布の紐とか無くてただの敷布の上の諭吉状態

*2:でもSNSのお写真はうひゃー嬉しいー♡ってなるのは何故なのか

*3:尚そんなにやっても推しの写真入りのものは自引き出来なかった模様。交換で数個手に入れることは出来ましたが。

*4:別にリア恋的な愛に限らず

*5:今の推しを降りる時はおたく辞める時って決めてます